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はじめての相続《民法解説》相続人不存在確定までの過程

相続人捜索公告

この公告は、簡単に言えば「もし相続人だと思う人がいたら、名乗り出てください」という最後の呼びかけです。家庭裁判所が相続財産管理人を通じて行い、公告期間は最低でも6か月と定められています。

なぜ、これほど長い期間を設けているのかは、相続人がすぐに名乗り出られるとは限らないからです。被相続人と長年疎遠だった親族や、海外に住んでいる人、あるいは自分が相続人だと知らされていなかった人もいます。相続は一生に何度も経験するものではなく、そもそも「自分が相続人になる可能性がある」と気づいていない人も少なくありません。

そのため法律は、「短期間で切り捨てる」のではなく、「十分な時間を与えたうえで、それでも名乗り出ないなら仕方がない」という形を取っています。相続人捜索公告は、相続人を排除するための手続ではなく、相続人を守るための最後のチャンスだと理解すると分かりやすいと思います。

失権とはどういうことか

相続人捜索公告の期間が過ぎても名乗り出なかった場合、その人は失権します。失権とは、簡単に言えば「相続人として権利を主張できなくなる」ということです。ここで誤解されやすいのは、「存在自体が否定される」「最初から相続人でなかったことになる」という理解ですが、これは正確ではありません。

失権は、あくまで「一定の手続を経たあとでは、もう相続人として名乗り出ることはできません」という効果です。相続人だった可能性そのものが消えるわけではありませんが、法律上は、もはや相続関係に関与できなくなります。これにより、いつまでも相続が終わらない状態を防ぎ、相続財産を最終的に整理することができるようになります。

この失権の仕組みがあるからこそ、相続人不存在の手続は、どこかで必ず区切りがつくように設計されています。

民法958条の2
1. 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2. 前項の請求は、第952条第2項の期間の満了後3箇月以内にしなければならない。

相続人が現れても、もう遅いケース

実務でよく問題になるのが、「あとから相続人だと分かったが、すでに手続が進んでいた」というケースです。たとえば、相続人捜索公告の期間が終わったあとに、「実は自分が甥にあたる」「戸籍を調べたら兄弟姉妹に当たる」と判明する場合があります。

しかし、相続人捜索公告の期間を過ぎてしまっている場合、原則としてその人は相続人として扱われません。これが「現れたが、もう遅い」状態です。冷たく感じるかもしれませんが、相続には必ず終わりを作る必要があります。いつまでも可能性を残してしまうと、財産の管理も処分もできなくなってしまうからです。

ただし、管理人や裁判所が知りながら意図的に知らせなかった場合など、極めて例外的な事情があれば問題になることもあります。しかし、通常は公告という公的な方法で広く知らせている以上、「知らなかった」という理由だけでは救済されません。

相続財産管理人・家庭裁判所・利害関係人の立場

この手続では、複数の立場の人が関わりますが、それぞれの役割を理解すると全体が見えやすくなります。

相続財産管理人は、相続人の代理人ではありません。特定の人の利益を守る存在ではなく、相続財産そのものを管理し、法律に従って整理する役割を担っています。感情ではなく、法律と手続を基準に行動します。

家庭裁判所は、その管理人を監督し、手続が適正に進んでいるかを確認する立場です。公告の内容や期間、次に進んでよいかどうかの判断は、最終的に裁判所が行います。

一方、利害関係人には、相続債権者や受遺者、場合によっては特別縁故者になり得る人が含まれます。これらの人たちは、自分の立場で申し立てや意見を述べることはできますが、手続全体を動かす立場ではありません。それぞれが決められたタイミングで行動しなければ、権利を失う可能性があります。

実務で誤解されやすいポイント

相続人不存在の手続で、一般の方が特に誤解しやすい点がいくつかあります。まず、戸籍を調べて誰もいなかったから、すぐ国のものになる、という理解は誤りです。実際には、管理人の選任、公告、一定期間の経過など、多くの段階を経て初めて結論が出ます。

また、相続放棄した人の子が代わりに相続人になるのではないか、という質問も多くありますが、相続放棄の場合は代襲相続が起こらないため、その子が相続人になることはありません。この結果、相続人不存在に近づくケースもあります。

さらに、名乗り出ればいつでも相続できる、という考えも危険です。相続人捜索公告の期間を過ぎると、原則として相続人としての権利は認められません。
相続は待ってくれない制度であり、期限があるという点を強く意識する必要があります。

相続人不存在が確定するまでに起きていることは、「誰もいないことを証明する作業」ではありません。いるかもしれない人を、時間をかけて探し、それでも見つからなかったという結論に至る過程です。

本記事作成美馬克康司法書士・行政書士

はじめての相続《民法解説》は、掲載日時点における法令等に基づき解説しております。できるだけ最新の情報で掲載しておりますが、掲載後に法令の改正等があった場合はご容赦ください。

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