048-970-8046

営業時間8:30~18:30

土日祝営業の年中無休

東武スカイツリーライン せんげん台駅 西口1分

単純承認:すべてを受け継ぐという意味とリスク

春日部市の相続専門美馬克康司法書士・行政書士事務所

埼玉県越谷市千間台西1丁目12番地1ダイアパレスルネッサせんげん台506号

東武スカイツリーラインせんげん台駅 西口1分

営業時間8:30〜18:30
相続越谷春日部の美馬事務所の周辺地図

048-970-8046

メールはこちら
はじめての相続《民法解説》単純承認:すべてを受け継ぐという意味とリスク

相続が始まると、相続人は承認か放棄かを選ぶ必要があります。承認のなかで、もっとも一般的な形が「単純承認」です。この単純承認を選ぶと、亡くなった人(被相続人)の財産を、良いものも悪いものも含めてすべて受け継ぐことになります。
つまり、相続人は被相続人の財産上の権利も義務も、制限なく引き継ぐことになるのです。

民法920条
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

単純承認の意味

単純承認とは、被相続人が持っていた積極財産(プラスの財産)と消極財産(マイナスの財産)のすべてを、無制限に引き継ぐということを意味します。積極財産とは、現金・預貯金・不動産・株式・貴金属などのように価値のある財産です。
一方、消極財産とは借金やローン、未払いの税金、連帯保証債務など、マイナスの財産を指します。

単純承認をすると、相続人はこの両方を無条件に受け継ぎます。たとえば、被相続人の預金が1,000万円あっても、借金が2,000万円あれば、結果的に相続人は自分の財産から1,000万円を支払わなければならないことになります。

単純承認の効果

前述のとおり、単純承認をしたときは、相続人は被相続人のすべての権利義務を引き継ぐことになります。このときの「無限」というのは、金額の上限がないという意味です。また、「無条件」というのは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も問答無用で承継するということを意味します。

たとえば、被相続人Aが亡くなり、相続人Bがいるとします。
Aの遺した財産は次のとおりです。

  • 預金・不動産・動産などの積極財産:3,000万円
  • 借入金などの消極財産:5,000万円

この場合、Aの相続財産全体はマイナス2,000万円になります。Bが単純承認をした場合、BはAの負債も含めてすべてを引き継ぐことになります。
したがって、Bは自分の財産からAの借金2,000万円を支払う義務を負います。これは「被相続人の債務が、相続人の固有財産にも及ぶ」という意味です。言い換えると、単純承認をすると相続人は無限責任を負うことになります。

単純承認と相続放棄の違い

相続放棄は、はじめから相続人でなかったことにする制度です。放棄をすれば、被相続人のプラス財産もマイナス財産も一切受け継ぎません。

これに対して単純承認は、「すべてを引き継ぐ」と明確に意思表示する行為です。放棄との最大の違いは、借金などのマイナス財産を、自分の資産からも弁済しなければならない点です。
被相続人が残した財産の内容が不明な場合、安易に単純承認してしまうと、後から借金が見つかったときに大きな負担を抱えることになります。

このため、実務上は相続開始後すぐに承認せず、熟慮期間(3か月)の間に財産内容を調査することが勧められます。

単純承認の方法

単純承認には、形式的な手続きは必要ありません。つまり、「家庭裁判所に申述する」といった手続きは不要で、相続人が明確に承認の意思を示せば成立します。被相続人の財産を「そのまま自分のものとして引き継ぐ」という意思表示があれば、単純承認になります。

ただし、後ほど触れる「法定単純承認」のように、明示的に意思を示さなくても承認とみなされる場合もあります。

たとえば、被相続人の財産を売却したり、借金の返済にあてたりする行為は、単純承認をしたものと見なされることがあります。このような行為は「法定単純承認」と呼ばれます。

単純承認のリスク

単純承認の最大のリスクは、被相続人の債務が多かった場合に、それを自分の財産で返済しなければならない点です。特に、被相続人が個人事業を営んでいたり、保証人になっていたりすると、想定外の債務が後から発覚することがあります。

また、相続財産の中に不動産が含まれている場合、その名義変更をすると自動的に単純承認とみなされるケースもあります。このように、意図せず承認扱いになってしまうことがあるため、注意が必要です。

被相続人の借金がどのくらいあるのか、保証人になっていないかなどを十分に調査し、判断を下すことが大切です。もし不明な点が多い場合は、単純承認をせず、限定承認や相続放棄を検討することも一つの方法です。

本記事作成美馬克康司法書士・行政書士

はじめての相続《民法解説》は、掲載日時点における法令等に基づき解説しております。できるだけ最新の情報で掲載しておりますが、掲載後に法令の改正等があった場合はご容赦ください。

  • 当事務所の感染症対策の ご案内
  • 当事務所が掲載された メディアのご案内
  • 明朗会計をお約束 定額料金のご案内
  • 春日部・せんげん台の相続専門美馬克康司法書士・行政書士事務所
  • 埼玉県越谷市千間台西1丁目12番地1
    ダイアパレスルネッサせんげん台506号
    せんげん台駅西口1分
  • 初回 相続相談 30分無料
  • 048-970-8046
  • 8:30〜18:30土日祝営業
  • メールのお問い合わせ