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死亡の前後関係が明らかでない場合の同時死亡の推定の制度

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はじめての相続《民法解説》死亡の前後関係が明らかでない場合の同時死亡の推定の制度

同時死亡の推定とは、複数人が死亡し、その前後関係が明らかでない場合に、それらの人々が同時に死亡したものとみなす制度です。この規定は民法第32条2項に定められています。

民法第32条2項
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

この規定は、死亡の順序が不明な場合における相続の処理を円滑に進めることを目的としています。

1. 同時死亡の推定の制度

同時死亡の推定は「推定」であるため、明確な反対の証拠(例えば、死亡時刻が記録された死亡診断書など)があれば、この推定を覆すことが可能です。この制度は、昭和37年の民法改正(昭和37年7月1日施行)により新設されました。

たとえば、父と子が事故で死亡した事例です。
父親Aと子Cが同じ飛行機事故で死亡しました。死亡時刻の前後関係が不明な場合、AとCは同時に死亡したものと推定されます。
Aが Cを相続することはなく、またCがAを相続することもありません。Aの財産は直系尊属や配偶者である妻Bが相続し、Cの財産はCの配偶者や直系尊属が相続します。

2. 同時死亡の推定が相続に与える影響

同時死亡の推定が適用される場合、相続における「順次相続」が発生しません。たとえば、以下のような関係が考えられます。

事例:同時死亡の推定が適用された場合

A(父)とC(子)が同時に死亡したと推定される場合、B(Aの配偶者)がAおよびCの財産を直接相続します。Cに配偶者がいる場合は、その配偶者がCの財産を相続します。

事例:同時死亡の推定が適用されない場合

CがAよりも先に死亡したことが明らかな場合、AはCを相続し、その後にAの配偶者であるBがAの財産を相続します。

これにより、死亡の順序が不明な場合の法律上の処理が明確になります。

2. 同時死亡の推定と代襲相続

代襲相続とは、被相続人の子が死亡している場合に、その子の直系卑属(孫など)が相続人となる制度です。同時死亡の推定が適用される場合も、代襲相続は発生します。

事例:同時死亡の推定が適用されない場合

A(父)とC(子)が同時に死亡したと推定される場合、Cの子であるDはAの直系卑属として代襲相続人となり、Aの財産を相続します(民法第887条第2項)。

民法第887条2項
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

民法第891条
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1. 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
2. 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
3. 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
4. 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
5. 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者


反対証拠の提示
同時死亡の推定は、死亡時刻が記録されている場合など、明確な反対証拠が提示されれば適用されません。


まとめ

同時死亡の推定の制度は、複数人が死亡し、その前後関係が明らかでない場合に、これらの人々は同時に死亡したと推定する制度です(民法第32条の2)。これにより、互いに相続が発生しないとみなされ、相続関係が明確になります。この推定は、明確な反証がある場合に覆されることがあります。

本記事作成美馬克康司法書士・行政書士

はじめての相続《民法解説》は、掲載日時点における法令等に基づき解説しております。できるだけ最新の情報で掲載しておりますが、掲載後に法令の改正等があった場合はご容赦ください。

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