相続人不存在の手続き
春日部市の相続専門美馬克康司法書士・行政書士事務所
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メールはこちら相続開始後、なぜすぐに「相続人不存在」とは確定しないのか
被相続人が死亡し相続が開始しても、その時点でただちに「相続人がいない」と確定するわけではありません。戸籍上相続人が確認できない場合や、全員が相続放棄をしたように見える場合であっても、法律上はなお相続人が存在する可能性が残されているためです。
たとえば、認知されていない子が後から判明する可能性や、代襲相続の余地が実は残っている場合、さらには相続放棄が無効である可能性などが考えられます。相続制度は財産の帰属を最終的に確定させる制度である以上、拙速な確定は許されず、一定の時間をかけて慎重に可能性を排除していく仕組みがとられています。
このため、相続人不存在の手続は相続人がいないことを前提に進める手続きではなく、相続人が存在する可能性を一つずつ消していく手続きと理解する必要があります。ここに、この制度が時間を要する本質的な理由があります。
相続財産管理人が選任される意味
相続開始後、相続人の存否が明らかでない場合、相続財産は事実上の管理主体を失います。
しかし、財産を放置すれば、滅失や価値の低下、債権者との関係悪化など多くの問題が生じます。そこで家庭裁判所は、利害関係人や検察官の申立てにより、相続財産管理人を選任します。
相続財産管理人は、相続財産を管理し清算するために選任される者であり、特定の相続人の利益を代表する立場ではありません。あくまで相続財産全体を客観的に管理し、最終的に帰属先を確定させるための中立的存在です。この管理人の選任によって、相続財産は事実上「相続財産法人」として扱われ、管理と清算のための法的枠組みが整えられます。
公告が段階的に行われる理由
相続人不存在の手続において特徴的なのが、複数回に分けて公告が行われる点です。これは単なる形式的手続ではなく、相続関係者を段階的に整理するための重要な意味を持っています。
まず行われるのが、相続財産管理人選任の公告です。これにより、相続が開始しており管理人が選任された事実が公にされます。次に、債権者および受遺者に対する請求申出の公告が行われ、一定期間内に名乗り出ることが求められます。ここでは、相続人そのものではないものの、相続財産に関係する権利者を把握し、清算対象を明確にする目的があります。
さらにその後、相続人捜索の公告が行われます。この公告期間は比較的長く設定されており、その期間内に相続人として名乗り出なければ、原則として相続権を失うことになります。このように公告を段階的に行うことで、債権者や受遺者、相続人候補を順序立てて整理し、最終的に残る財産の帰属判断が可能となります。
債権者・受遺者・相続人候補はどのように整理されるのか
相続人不存在手続では、関係者が一律に扱われるわけではありません。まず債権者と受遺者は、公告期間内に権利を主張することで、相続財産から弁済や履行を受ける機会が与えられます。この段階で清算が行われることにより、相続財産は純化されていきます。
一方、相続人候補については、相続人捜索公告の期間内に名乗り出ることが強く求められます。この期間を経過しても現れない場合、法はもはや相続人が存在しないものとして扱う方向へ進みます。
重要なのは、この時点で排除されるのは相続人としての地位であり、債権者や受遺者としての権利とは区別されている点です。公告の段階ごとに対象者が整理され、法的に切り分けられていく構造になっています。
「時間をかけて排除していく制度」である点の理解
相続人不存在手続の最大の特徴は、短期間で結論を出す制度ではないという点にあります。相続開始から相続人不存在確定までには、公告期間や各種手続を経る必要があり、結果として一年以上を要することも珍しくありません。これは制度の欠陥ではなく、むしろ正確性と公平性を重視した結果です。
もしこの手続が拙速に進められれば、本来相続権を有していた者が排除される危険があります。相続財産の最終的な帰属先が国庫や特別縁故者に及ぶ可能性がある以上、相続人の可能性は最大限尊重されなければなりません。そのため法は、時間をかけて関係者を公告により排除し、それでもなお残る場合にのみ「相続人不存在」という結論を導く構造を採っています。
この点を理解していないと、実務において「なぜこんなに時間がかかるのか」「もっと早く確定できないのか」という誤解が生じがちです。相続人不存在手続とは、相続人がいないことを証明する制度ではなく、相続人が存在する可能性を一つずつ法的に消去していく制度であるという点を、まず全体像として押さえておく必要があります。
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