遺産分割の方法―現物分割・代償分割・換価分割の違い
春日部市の相続専門美馬克康司法書士・行政書士事務所
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メールはこちら遺産分割協議では、誰が相続人になるかだけでなく、どのような方法で遺産を分けるかも問題です。
現金だけであれば人数に応じて分けることもできますが、不動産や株式、自動車などは簡単に分割できません。そのため、遺産の内容や相続人の希望に応じて、いくつかの分割方法が用いられています。
遺産分割はいつでも請求できるのが原則
共同相続人は、原則としていつでも遺産分割を請求することができます。
もっとも、被相続人が遺言によって遺産分割を禁止している場合には、その期間中は遺産分割を行うことができません。
民法では、遺言によって遺産分割を禁止できる期間は、相続開始の時から5年を超えることはできないと定められています。
また、相続人の一人が遺産分割を求めても、他の相続人が協議に応じない場合や話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割を請求することができます。
遺産分割はどのような順序で進められるのか
遺産分割は、次の順序で進められるのが一般的です。
- まず、遺言で分割方法が指定されている場合は、その内容にしたがいます。遺言で分け方が指定されていない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。
- 話し合いで合意できなければ、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てます。
- それでも合意に至らない場合は、最終的に家庭裁判所の審判によって分割方法が決められます。
- 長男が自宅を取得する
- 長女が預貯金を取得する
このように、分割方法まで指定されていれば、それにしたがって遺産を分けることになります。
現物分割とは
最も一般的な方法が「現物分割」です。これは、遺産を売却したり換金したりせず、そのままの形で各相続人が取得する方法です。
たとえば、「長男が土地」「長女が建物」「次男が預貯金」というように、それぞれが異なる財産を取得します。遺産をそのまま取得できるため手続も比較的簡単で、多くの相続で採用されています。
ただし、財産の価値に差がある場合には、不公平感が生じることがあります。
たとえば、自宅が4,000万円、預貯金が500万円しかない場合には、単純な現物分割では法定相続分どおりに分けることが難しくなることもあります。
代償分割とは
不動産を売却せず、一人が取得したい場合によく利用されるのが代償分割です。
たとえば、自宅を長男が相続し、その代わりに長男が次男へ1,000万円を支払うという方法です。この支払うお金を代償金といいます。
親と同居していた相続人が引き続き自宅に住み続けたい場合などには、非常に利用されることの多い分割方法です。
もっとも、代償金を支払うだけの資力が必要になるため、誰でも選択できる方法ではありません。
換価分割とは
遺産を売却して現金に換え、そのお金を分ける方法を換価分割といいます。
たとえば、実家を売却して3,000万円になった場合、その売却代金を相続人で分配するという方法です。財産を現金化するため、公平な分割がしやすいというメリットがあります。
一方で、思い出のある実家を手放すことになるため、相続人の意見が分かれることも少なくありません。
また、不動産の売却には時間がかかることもあり、市場価格によって取得できる金額が変わる点にも注意が必要です。
共有分割という方法
遺産を分けず、相続人全員の共有名義にする方法もあります。
たとえば、自宅を兄弟3人の共有名義にするようなケースです。一見すると公平な方法に思えますが、将来的には共有者全員の同意が必要になる場面が多く、売却や建替えなどが難しくなることがあります。
さらに、共有者が亡くなると、その持分について新たな相続が発生し、権利関係がさらに複雑になるおそれがあります。そのため、共有分割は将来の管理まで考えたうえで慎重に判断しなければなりません。
用益権を活用した分割が選ばれることもある
相続では、所有権だけではなく、用益権を利用した分割が行われることもあります。
たとえば、自宅の所有権は長男が取得し、配偶者には引き続き住み続けられる権利を設定するような方法です。
近年では配偶者居住権も創設され、高齢の配偶者の生活を守るための選択肢が広がっています。ただし、権利関係が複雑になるため、内容を十分理解したうえで利用することが重要です。
分割方法は一つだけとは限らない
実際の相続では、一つの分割方法だけを用いるとは限りません。
- 自宅は長男が取得し代償金を支払う
- 預貯金はそのまま分ける
- 利用予定のない土地は売却して分配する
このように、現物分割・代償分割・換価分割を組み合わせることも多々あります。
遺産の内容や相続人それぞれの事情は家庭によって異なります。法律は複数の分割方法を認めており、それぞれの家庭に最も適した方法を選択できるようになっています。
司法書士として相続のご相談を受ける際にも、法定相続分どおりに分けることだけではなく、今後の生活や財産管理まで見据えて、どの分割方法が最も適しているかという視点でも考えることも大切にしていることです。
迷っている方が多くご相談くださいます。専門家への相談も検討してみてください。
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